《十二か月推事記》

フジコです。推しのことについて。

クリムト展-ウィーンと日本1900-

こんにちは。フジコです。

 

梅雨すっ飛ばして夏です。

今年もタリーズでチョコリスタが発売されました。

 

本日はこちら↓

 

 

東京・上野  東京都美術館

クリムト展-ウイーンと日本1900-」

f:id:fjk_museum:20190526114551j:image

 

奇想の系譜展以来の都美術館です。

前回は日本がでしたが、今回は西洋画。

 

とはいえ、この時代の西洋画家は、日本画から多大な影響を受けています。

本展の主役、グスタフ・クリムトもその一人。

クリムトが生きたのは、19世紀後半から20世紀初頭。ちょうどゴッホとかモネとかルノワールと大体同じくらいの時代です。

 

若きクリムトは、保守的な芸術家組合から離れ、新しい表現を求める仲間の芸術家たちと「ウィーン分離派」を結成します。

かつて西洋画の伝統的な表現を守ってきた彼らにとって、日本・東洋の芸術表現はさぞ魅力的だったでしょう。

1900年に分離派会館でジャポニスム展が開催されて以降、クリムトの作品には日本の芸術から影響が端々に見られます。

 

女性の衣服の一部に着物を彷彿とさせる模様をあしらったり、怪物の目に螺鈿のようなものを用いたり。クリムトといえば女性の周りに散りばめられた金のイメージが強いですが、金箔を使ったのだって、日本の金屏風から着想を得たとか。

 

また、縦に引き伸ばされたような特徴的な人物の描き方も、日本の美人画からの影響であると考えられます。

西洋の芸術には、はるか昔ローマ帝国の時代から、「人体は美しい」という考えが根本にあり、人体を美しく表現することが芸術の基本中の基本とされています。

クリムトが学生時代に一糸まとわぬ筋骨隆々な男性を描いていたように、また横たわるふくよかな女性のスケッチが数多く残されているように、まずは裸体を描けるようになることから西洋の芸術は始まるのです。

一方日本画は、服の下にほとんど肉体を感じさせず、肌が描かれたとしても、決して写実的ではありません。素っ裸の人間を描いたとしても、肉体は画題の主役にはなりません。

 

すらりと伸びた女性の体は、まさしく日本の浮世絵に描かれた美女です。

人間の肉体表現を重視する西洋画壇にとっては、人体を写実的に生々しく表現しないこと自体が、ジャポニスムであるのかもしれませんね。