花は咲き、鳥は歌う 生きものたちのユートピア
フジコです。
今日は有給です!!!!!!!!!!!!!
やったね!!!!!!!!!!!!!!
社会人1年目、1社目を4ヶ月で辞め、今の2社目に入り2月で半年、ようやく手に入れた有給の権利。有効的に使っていきましょう。
そんな本日はこちら↓
東京・原宿 太田記念美術館
「小原古邨」
太田記念美術館は、原宿のソフトバンクショップの裏手にある浮世絵専門の小さい美術館です。葛飾北斎の娘、応為の代表作《吉原格子先の図》を所蔵しています。
浮世絵といえば、江戸の浮世、人々の活気満ち溢れる街並みや景色、役者絵、美人画といったものを思い浮かべる人が多いでしょう。ちょっと笑える、所謂「ネタ絵」みたいなやつも多いですね。
浮世絵師は、葛飾北斎、歌川広重、喜多川歌麿、歌川国芳、東洲斎写楽、鈴木春信…と、誰もが一度は聞き覚えのある有名人が勢揃い。
「日本画」という言葉から真っ先に「浮世絵」を連想する人もいるほど、それくらい浮世絵は平成の世にも(もう終わりますが)馴染み深いものです。
では、小原 古邨(おはら こそん)はいかがでしょうか。私も正直、この展覧会が開催されるまで全く知りませんでした。
ただこのポスターの小躍りする狐と、太田記念美術館の公式サイトに載ってた木兎が可愛くて、行ってみようという気になったのです。…が!
太田記念美術館は狭い割にめちゃくちゃ混む!浮世絵人気だものね。歌川広重の《東海道五十三次》が一挙公開されたときはそりゃもう通路がパンパンでした。あと解説が長めだからみんなそれを読んじゃう。
土日の太田記念美術館はキツい!
おや?有給が使えるではないか。
ここで一度使うっきゃない!
ということで本日に至ります。
感想としては、
とにかく可愛い!そして絵が上手い!
自然の中の生き生きとした可愛らしい鳥たち。
浮世絵版画ではあるものの、人の浮世からは一歩離れた、まさに生き物たちのユートピアです。
どう見ても日本人が好きなやつだと思うのですが、ではどうしてこんなに名が知られていないのか?
古邨の活動期間は明治〜昭和で、作品は国内向けというより、外国人へのお土産としてつくられたものが大半です。海外では展覧会が開かれるほど人気だそうです。手元で眺められる日本の自然が、外国人の胸に響いたのでしょう。
浮世絵版画は下絵を描く絵師の画力はもちろん、彫り師と刷り師の技量が不可欠です。
まず下絵の時点で一つの作品として売り出せるほど、古邨は絵が上手い。鳥の毛並みや月明かりに照らされる夜の空気を見事に表現しているんです。
そしてそれに全力で呼応する彫り師と刷り師の職人魂が、作品一つ一つに宿っています。
ぱっと見、とても版画には見えないのですが、近づいてよくよく見ると、版画の木目がうっすらと見えて、版画ならではの暖かさを演出しています。
可愛らしい花鳥画といえば、私の最推し酒井抱一も得意とするジャンルですが、古邨の花鳥画にも琳派的なものを感じます。古邨は何かしらの影響を受けたと考えてもおかしくはないでしょう。
琳派が後世の花鳥画に与えた影響とは何か?これも考えていきたいテーマの一つですね。
ポスターの小躍り狐は前期展示で、今回は残念ながら見ることができませんでした。(この展示はもう来週で終わってしまいます。)
しかし今回の展示で知名度は上がったでしょうし。またどこかでスポットを浴びるかもしれませんね。鳥好きの方は、是非一度見てくださいね。