《十二か月推事記》

フジコです。推しのことについて。

small person & large scale

初めて男の人とデートをした。前回の投稿で話題に挙げた、180センチ超えの大きな男性。実は体重が100キロあるので、何も包み隠さず言うと所謂デブなのである。よく食べ、よく飲み、よく吸い、よく稼ぐ。そんな男の人との初回デートの記録。

 

まず、午前中から11時間半ぐらい一緒にいたのだが、会ってから別れるまで、私は一銭もお金を出していない。正確にいうと「出させてもらえなかった」。

普段の移動は車で、電車は苦手だというので相手のワゴン車に乗せてもらった。だから交通費すら出していない。ワゴンなので広い。私は小さいので愛車キャストスタイルでも十分な大きさだが、相手は大きいので軽自動車だと窮屈なんだろうなと思う。

お金を出そうとすると全力で拒否されるので、途中からは諦めて素直に出させておいた。後述の通り、相手と私では稼げる額が桁違いなのである。

 

車の中では、今の会社に入る前のキャリアや将来の希望のお話を聞いた。

10人入ったら1年後には9人辞めてるような会社で生き残り、もっと稼ぎたくなって今の業界に完全歩合制で飛び込んだこと。実際稼げて、今は数年後の独立に向けて動いていること。50代で早期にリタイアして、田舎で1000坪の土地に家を建てたいということ。

一つ案件が決まるか決まらないかで200万給料が変わることもあると言った。

飲まれそうなぐらい、あまりにスケールの大きな話だった。私が生きてきた人生や、今まで周りにいた人達のキャリアとは全く違った。高校を卒業して、多少時期に違いはあれど大学か専門学校に言って、就職して、私みたいに転職した人もいれば、新卒で入った会社にまだ勤めている人もいる。でも相手はそうではない。世間一般でいうところの会社員ではなく、経営者側の人間だ。

私は絶対に人を雇用する側になる自信なんて無いし、ずっと誰かに雇用されて、なんとなく守られながら働いていくんだろうなということしか想像できないから、ただただ尊敬した。体だけじゃなくて、見てる世界も私の何倍も大きいんだろうなと思った。

前の会社も中途入社だというから、じゃあその前は何してたのかと聞いたら、教えてくれなかった。なんとなくの予想はつくけど(確証はない)。

 

移動中も、歩いている間も、仕事の電話を何度もしていた。普通はデート中に仕事の電話をするなんて御法度なんでしょうけど、お互いに不動産営業マンとして休みの日も電話が鳴りまくることは暗黙の了解だし、休みの日に関わらずたった1日1本の電話連絡が仕事を左右することは重々承知なので、相手が電話している間は大人しく待っていた。なんなら私も仕事の電話が5本ぐらいかかってきた。

 

昼食はひつまぶしのお店に入った。通常のひつまぶしでも3500円ぐらいするのだが、勝手に上ひつまぶしにされたので一人4000円以上もした。食べきれるか心配だったが、相手の2倍ぐらい時間をかけてゆっくりゆっくり食べたらお腹を壊さずに美味しく完食できた。相手は気長に待ってくれた。何気にひつまぶしは初めて食べたかもしれない。

《「暇潰し」とは異なります。》

f:id:fjk_museum:20221102215550j:image

 

昼食後は、たばこと塩の博物館に行った。以前話したときに、休みの日はどうしているのかと聞かれて、美術館や博物館によく行ってますと言ったら、じゃあ行きましょう!となったのだが、さすがにほとんど美術館や博物館に行かない人を静嘉堂文庫美術館三井記念美術館に連れて行くのはレベルが高いし、一方的に私のオタク趣味に付き合わせることになってしまうので、そうだ相手はスモーカーだからここなら楽しめるだろうと、スカイツリー近くにある「たばこと塩の博物館」に決定した。ちょうどヴィンテージライターの特別展をやってて、個人的にも行きたかったのでよかった。

この博物館、入館料が一人100円という破格のお値段で、たった200円とはいえ私が行くことを決めたのだから、これぐらいは私が出さなきゃと無理やり相手の手に100円玉2枚をねじ込んだが、あっさりと返却されてしまった。

それなりに楽しんで頂けたようで、ギリ昭和生まれだからか、昔のライターが今もうちにあると言ったり、過去のタバコのパッケージを懐かしがったりしていた。たばこの常設展示のフロアに喫煙所があって喜んでいた。

 

たばこと塩の博物館の後はスカイツリーに登った。ソラマチには何度も行っているけど、展望台には行ったことがなかった。平日だから空いてはいるもののそれなりに人がいて、私はこの日6㎝ヒールを履いていたが、それでも身長160㎝に満たないため、何回か探されてしまった。でも、展望台エレベーター係の女性は、ヒールを履いてない私よりももっと小さかった。この世界では小さい人間も頑張っている。

せっかくだからと一番上の展望回廊まで行った。すみっコぐらしとコラボしていて、やけにファンシーになっていた。天気があまり良くなかったので、遠くの方はあまり見えなかったけど、ミニチュアみたいな足下のビル群に圧倒された。二人とも不動産屋なので、みちみちに建っている都内の建物の建蔽率や、スカイツリーの登記簿上の記載がどうなっているのか気になったりした。

これはほこり。

f:id:fjk_museum:20221102220603j:image

 

まだ夕飯には早いということで、東京ドームシティまで移動した。ジェットコースター乗っちゃう?なんて話してたけど、来年の春まで休止してるというから観覧車に乗った。

その後はちょっと手を繋いで歩いた。あったかかったし柔らかかった。駐車場まで戻るのにどこから降りるのか二人してわからなくなって、手を繋いだまましばらくドームシティを彷徨った。

 

最後は築地のすしざんまいに行った。初っ端から勝手に大トロを2巻頼まれた。昼のひつまぶしのときもそうだったが、この人とんでもない食べさせたがり屋である。しかも、美味しい食べ物にはいくら出しても構わないという思想である。(だから太るのでは?)昼も夜もこんなに豪勢なのは初めてかもしれない。私が肉より魚派だと伝えていたからこのチョイスになったのだろう。

 

最後はもう一度手を繋いで駐車場まで歩いた。手が小さいと言われた。

 

まだ付き合っていない。次回は未定。

 

p.s. 夜はパンツ一丁で寝てしまうらしい。服を着てくれ。