《十二か月推事記》

フジコです。推しのことについて。

近況と推し納め

もう最後の更新から2ヶ月くらい経ってしまったようなのですが、本日推し納めをしてきたので、今年行ったもので書けていなかったものをまとめてしまおうと思います。

 

一つ目はこちら↓

 

東京・上野  東京国立博物館

正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」

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恐らく誰もが日本史の教科書や便覧で目にしたことがあるであろう《螺鈿紫檀五弦琵琶》。

その実物が東京で見られるチャンスです。

琵琶は基本四弦で、五弦の琵琶はこれしか現存してないんだとか。しかも当時の最高峰の技術で装飾が施され、現代の技術でも再現は相当難しい。そりゃ国宝にもなりますわ。

 

教科書で載ってるのは大体表側だけだと思うのだけど、実は裏側こんな風になっているんです。

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これはシアターの画面を撮ったものですが、裏側には螺鈿と鼈甲の花が敷き詰められています。

さらに裏だけでなく側面にも、余すところなく装飾が敷き詰められているんです。

 

五弦琵琶の周りをぐるっと一周。人が多すぎる為立ち止まって一部分をまじまじと見ることはできませんが、まさに「宝物」の威厳を間近で感じることができました。

 

それから面白かったのは香木。ぱっと見はただの流木ですが、火鉢に入れるとそれはそれは芳しい香りがするのだそうです。

目玉は蘭奢待(らんじゃたい)と呼ばれた黄熟香。蘭奢待の漢字の中に、「東大寺」が含まれています。明治天皇を始め、織田信長足利義政といった歴史上の人物達がその香りを求め、一部分を切り取った跡がちゃんと残っています。

言葉や音は残すことができても、当時の香りをそのまま残すことは現代のテクノロジーを駆使してもできないでしょう。今その香りを知る人がいないところに、ちょっとミステリアスな魅力があります。

 

正倉院では、紙屑や糸屑、木屑といった、一見ゴミのようなものでも、"塵芥"と呼び、宝物の一部として大切に保管されています。材質によって分類され、日々研究が進められています。もしかしたら今は塵芥でも、数年後にはつなぎ合わされて形を成しているものがあるかもしれません。

 

これからも末永く、まもり伝えられてほしい名品ばかりでした。

 

二つ目は昨日行ったばかりのこちら↓

 

静岡・熱海  MOA美術館

琳派を楽しむ-光悦・宗達光琳・乾山・抱一-」

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MOA美術館は尾形光琳の国宝《紅白梅図屏風》を所蔵していることで有名ですが、なかなか行く機会が無かったので、2019年推し納めということで。

 

熱海駅からバスで10分程度。ICでのお支払いができないので注意。ぶっちゃけ不便。

 

急勾配急カーブをバスで駆け上がると立派なエントランスが。チケットを買って入館すると、「エスカレーターを7つお上がりください。」

 

7つ??????

そんなに上の階にあるのかととにかく上がる上がる。展示室にたどり着くまで本当に7つありました。

 

展示はタイトルの通り、明確なテーマがあるというよりは、純粋に琳派を楽しむ、琳派の作家を一人ずつ紹介していくといった具合でした。

お気に入りは乾山の小さいやつと、

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推しと蒔絵師の原羊遊斎がタッグを組んだ江戸モダンなかっこよさがある火鉢、

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それから「これぞ抱一」と言わんばかりの三幅掛け軸。

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そしてここは撮影ok。しかも低反射ガラスを使用しているから作品がくっきり見える!正面から見ると本当にガラスが無いように見えるのです。ガラスの存在に気づかずうっかり触ってしまった跡が至るところに…隣のおばさんはおでこをぶつけていました。

 

意外と見て回るのに時間はかからず、予定よりも早く帰れたので駅から近いって大きいなと実感。新幹線乗っちゃえばすごく気軽に来れる熱海。箱根の方が時間かかるし遠出した感が凄い。(岡田美術館は展示見るのに5時間かかるし…)

 

来年も素晴らしい作品に会えますように。

箱根登山鉄道が復旧したらまた箱根にも行こう。

2020年は東博からスタートします!