《十二か月推事記》

フジコです。推しのことについて。

江戸の園芸熱-浮世絵に見る庶民の草花愛-

こんにちは。フジコです。

 

極寒ひな祭り。

春服を買ったのに着れません。

 

寒さに震えながら本日はこちら↓

 

 

東京・押上  たばこと塩の博物館

「江戸の園芸熱-浮世絵に見る庶民の草花愛-」

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たばこと塩の博物館は、その名の通り、たばこと塩の文化と歴史をテーマとする博物館です。通称「たば塩」。

塩とたばこでエリアが別れていて、それぞれ世界と日本での文化と歴史を比較しながらわかりやすく解説されています。

なんと入館料は100円。常設展示は写真ok。

岩塩彫刻や、ケースに並んだ世界の喫煙具は見ものです。こんなに安くていいのかしら…

スカイツリーから歩いてすぐ。鑑賞後にショッピングなどはいかがでしょう。

 

今回の特別展は「江戸の園芸熱」がテーマですが、江戸時代には園芸が大流行していたって、ご存知の方はあまり多くないのではないでしょうか。学校じゃ教えてくれないし。

皆こぞって鉢植えを買い求めたり、花の名所にに出かけて楽しんだり…とにかく江戸人は草木が大好き!

浮世絵にはそんな江戸人たちが、庶民から武士、歌舞伎役者まで、楽しげに植物を愛でる様子が生き生きと描かれています。

江戸末期になると、品種改良を重ねに重ねた結果生まれた「奇品」が流行し、奇妙な形の花弁や斑入りの葉をつけた植物(代表的なのは朝顔)を並べて品評会なんかを開いたりしていました。

 

浮世絵の他に、季節ごとの花の名所を記したガイドブックや、奇品のカタログのような資料も残されており、江戸の園芸に対する熱狂ぶりが見られます。

 

実を言うと、江戸の園芸は私が卒論で考察材料として取り上げたものの一つです。

私の最推し酒井抱一が、今までにない《十二か月花鳥図》を生み出すことができたのは、尾形光琳狩野探幽の時代とは違う何かが、あったはずなのです。

その一つがまさに、「江戸の園芸熱」。遠くから眺めた景色の中の草花ではなく、すぐ足元に咲く、あるいは至近距離で観察することができるような草花を抱一は描いているのです。

 

ただ、抱一の特徴としては、奇をてらわない、ありのままの自然な植物の姿を描くことです。

抱一の弟子、鈴木其一の作品に《花菖蒲に蛾図》という奇妙な草中蛾があります。

赤紫色の花菖蒲の上を白い蛾が一匹舞っているのですが、花菖蒲の花弁は濃い赤紫一色のもの、ピンクがかったもの、白い斑点が入ったものなど様々。これはまさしく「奇品」の一種。ここまで花弁が異なるものが一箇所に一輪ずつ咲くはずもなく、江戸の園芸のすがたそのもの。

今回は「浮世絵に見る〜」なので展示はもちろんされていませんでしたが、私はこの作品こそが、江戸の園芸熱を表す最たるものだと感じます。「江戸琳派に見る園芸熱」なんて展示も面白いと思いますよ…どこかの美術館サマ…

 

あと、これは園芸とは全く関係なく、浮世絵って着物の柄がすごく派手で綺麗なんです。流石に庶民はそんな豪華なものは着ていなかっただろうけど、良家の娘さんなんかは色とりどりの着物を着ているんです。浮世絵ってそこまで興味なかったんですけど、着物の柄は見ていて飽きない。

最後に、歌川広重は色遣いが他の絵師と一線を画するものがあって、モダンでクール。世界で愛される理由がわかる気がします。

 

《おまけ》これはショップで買った、マッチケースっぽいちっちゃなメモ。かわいい。まみむメモ。

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